この手を伸ばして。

3次元の世界にいながら届きそうで届くことのない2次元にも思える5人組に対する、まあ、だいたい自己満足です。

4時間目:櫻井先生「星空がより素敵に見える研究」

 
相葉先生の前振りでスクリーンが赤になり、櫻井先生の写真が映る。
 
櫻井:はい、この授業はわたし、櫻井翔と助手の藤井流星の2人でお送りします。
藤井:よろしくお願いします。
 
櫻井:自由研究と言われ、思い出すのは学生時代。やはり自由研究の課題があり、その時のテーマは「星」でした。研究のために星が見たいと言ったところ、八ヶ岳に連れて行ってくれました。夜空を埋め尽くす満天の星に感動した記憶があります。なのでね、今回もやはり星をテーマに自由研究をしようと思い、「星空がより素敵に見える研究」に決めました。このテーマに決めた時にね、「流れ星」で「流星」なんてこんなぴったりなヤツはいないと思いまして、藤井流星を抜擢しました。
(ドームの照明が落ち、ステージ床とステージの周りに敷かれた照明だけになり、まるで天の川。意図してノスタルジックな雰囲気になります。かなり格好つける櫻井先生。手振りまでつけて自分に酔ってる風で語り始めます。)
櫻井:想像してください。夜空に輝く星のかがやき……。あれは、何年も前に星が放った輝き……いや、正確に言えば、何百億年前に放った輝きなんです……。ここ、いいところだから、流星……。
藤井:つまり星とは、「目で見ることのできるもっとも遠いところ であり、目で見ることのできるもっとも未知なる場所」……。
(櫻井先生にならい、語る藤井くんの言葉を、目を閉じたり、天井を見上げたり、頷きながら聴き入る先生は、ドームにいる4万5000人の誰よりも一番、自信をもって自分に酔っています。)
櫻井:今世紀最大の名言をありがとう。
(二宮:名言?)
(桐山:今世紀最大?)
櫻井:さあ、僕と一緒に天体観測をしましょう。
僕、櫻井翔とのロマーーンティック天体観測
 
櫻井:今日もネットが盛り上がるといいなあっ。今日の相手はそうだ、な……。彼。彼にしよう。かずなり・にのみや♡(左の人差し指と親指でL字をつくり、「かずなり」で人差し指を頬につけて「にのみや」で二宮にその指を向け、バン♡と撃つ櫻井。)
(左手をグーに握りしめ、その手を左頬に添えて小首を傾げ、上目遣いをする二宮。5秒くらい見つめ合ったまま時を止めるふたり。)
 
(席から立ち、櫻井先生の右斜め後ろにちょこんと立つ二宮くん。櫻井先生が歩き始めると、右手の親指・人差し指・中指の3本でそっと先生の右袖を掴む二宮くんの女子力の高さ。歩き始めた櫻井先生も、袖を掴む小さな重みに一瞬二宮くんを振り返ります。しかし、顔をやや俯かせて目線を合わせない二宮くん。だから女子力な……。)
櫻井:にのとはそうだな……やまたろの話でもしようか。あの時はエアバンドの練習ばっかりしてたなあ……。
(ここで二宮くんがするりと先生の袖から手を離します。先生が「え?」の顔と口で二宮くんを振り返りますがすぐに前を向いてしまいます。でも、先生は意識して右手を後ろめにして、二宮くんは歩幅を合わせて右手を少し前に差し出したので、ふたりの右手が重なりそうなくらい近づきます。「手をつなぐか……?」と会場が期待のまなざしでざわついたとき、おもむろに「あっ!」といって一塁側を指差して駆けていく櫻井先生。ヘタレか。)
二宮:えっ?
櫻井:ほら、見えるかい?流星だ。
(櫻井が指差した先にはステージの周りを走るピカピカした物体。その正体は、流れ星役として光る白い球体を被ってステージの周りを走る藤井。)
櫻井:知っているかな、にのは。流星は実は昼間にも流れていて、1日に240個も流れているんだ……。これがどういうことか分かるかい?
二宮:えっ……?
櫻井:いいんだ。答えてくれていいんだよ。さあ、言ってごらん。
二宮:……あっ!
櫻井:そう、それだ。
二宮:地球が終わる!
櫻井:違います!!!願い事がいくつもできるってしたかったんだ!!
二宮:あー、そっち?
櫻井:そっちだよ……。
 
(ステージ端に用意された天体望遠鏡の前に座るふたり。)
櫻井:まあ、いいさ。僕と天体観測をしよう、カズ。
(「カズ」呼びに会場の悲鳴が一段と大きくなる。)
櫻井:カズ、見えるかい?(3塁側を指差しながら)3塁側、東の空に星が見えるだろう?
二宮:本当だわ。
(1階席の、事前に指定された席の生徒さんがライトを点灯させ、客席に星座を作り出します。)
櫻井:ひと際明るい星があるね、あれがベガだ。さあ、何座か分かるかい?
二宮:ふたご座だ!!!!!(きらきらと輝かせた目+いきいきとした声)
櫻井:こと座だ!!!!!!
(櫻井の答えにハッとした表情で先生を見つめる二宮。額に手を当て、やれやれといった表情の櫻井。)
(客席の星座が画像となってスクリーンに映し出されます。そのひとつひとつの星を黄色い線で結び、星座線を描く櫻井先生。)
櫻井:この「こと」はご存知の通り和琴ではなく、もちろん西洋の琴だ。この琴は、ギリシャいちの琴の名手、オルフェウスが使っていた琴だ。彼は早くに最愛の妻を失い、悲しみに暮れていた。そんなある日、妻を死後の世界から連れ出すことにしたんだ。死後の世界で彼は幾度も琴を弾き、妻をもう一度生き返らせることを許してもらう。しかしまあ、またいろいろとあって、結局彼はもう一度妻を失ってしまうことになるんだ……。それで、悲しみに暮れ、彼はもう二度と琴を弾かなくなる。ただ、その琴の音色は美しかったからと、琴だけは星座として天に上げられたというのだ。
櫻井:だから、カズ……。
櫻井:(二宮の肩に両手を乗せ、ふたり、見つめ合いながら)もし、もし万が一、僕に何かあった時はオルフェウスが奏でたような美しい音で僕を守ってくれるかい?
二宮:もちろんよ……!あなたを守りましょう!
 
櫻井:さあ、次はこっちだ。(1塁側を指差しながら) 1塁側、南の空にほら、星座が見えるだろう。何座か分かるかい?
二宮:(鼻で笑いながら)ばかにしないでよ!
櫻井:ははっ、失敬失敬(額を右手で叩くジャスチャー)。さあ、答えちゃってくれ。
二宮:ふたご座だ!!!!!!(さっきよりも、よりいきいきとした声)
櫻井:てんびん座だ!!!!!
(こと座同様、客席にできた星座の画像に星座線を描く櫻井先生。しかし、先程よりも雑なご様子。)
二宮:……ずいぶん大胆なのね。(星をひとつ無視し、線で星を消したことを指摘。)
櫻井:あぁ、ここかい?ははっ、そうだね、直そうか。(線を結び直すものの、なかなか納得のいく星座線にならないらしく、てんびん座の上部3つの星を結ぶ線を何度も上書きする櫻井先生。)
二宮:もう、もうわかったから!いいわよ、もう!
櫻井:そうだな……。ところでこの赤い星、何だか分かるかい?
二宮:分からないわ……。
櫻井:これはね、火星なんだ。
二宮:そうなんだ!(素の声)
櫻井:と、こ、ろ、で。この天秤は何に使うものか分かるかい?
二宮:……。
櫻井:いいんだよ、当てちゃって。
二宮:てんびん?
櫻井:何用か分かるかい?いいんだよ、いいんだよ。当てちゃって。
二宮:……!理科の実験用よ!!
櫻井:天国と地獄の振り分け用よ!!!
この天秤は正義を測る天秤と言われているんだ……。その天秤に人間をかけ、良い人間か悪い人間か見極めるというんだ。
……なあ、カズ。(肩に両手を乗せて見つめ合いながら)夜空の天秤に乗る前に、僕と天秤に乗ってみないか?そうしたら君は必ず天国行きだ……。
櫻井:なんだこれ!(笑)
 
櫻井:続いてはぁ、月について観測して行きたいとぉ思います!二宮くんありがとう。
(BGMで「三日月」(カラオケ)が流れます。イントロの、トントロロン、ドン、ドン、の高音と低音が良く響き、ノスタルジックな雰囲気に拍車がかかります。)
櫻井:嵐、最新アルバム「Japonism」より、「三日月」。J-Storm。(ウィスパー)
ではね、太陽と月と地球の3つを使って、満ち欠けの仕組みについて学んでいきますよ。今日の月役は……ノゾム、きみだ。きみには今から月になってもらうヨ。
小瀧:了解しました!
櫻井:はーい、今から地球になりまーす。
(藤井と小瀧は頭に太陽と月をそれぞれ被り、櫻井は藤井に助けてもらいながら地球の球体の着ぐるみ(?)を着る。)
松本:今から櫻井くんが地球になりまーす。
櫻井:まったく、地球は(着るのが)大変だぜ。
 
(小瀧くんにスポットライトを当てた状態で小瀧くんが歩くと、彼が頭につけている白い丸い月の被り物に影が生まれ、地球から見た月の満ち欠けの仕組みが分かります。)
(球体から顔と手を出し、カンペを目の前に構えて喋る櫻井先生の姿はなかなかシュールですが、ライトを当てられた状態で走り、「三日月」「半月」「満月」「下弦の月」と、アナウンスが入るたびにカメラ目線でキメ顔をする小瀧くんの姿もなかなかシュールです。)
 
櫻井:これ。これを今日はみんなに覚えて帰ってほしい!これが今日、6月26日の月です!
(小瀧くん、安定のキメ顔に笑い出す先生方。)
櫻井下弦の月は明後日(6月28日)だよ!
(満ち欠けのお話も終わり、藤井に助けてもらいつつ地球を脱ぐ櫻井。)
小瀧:地球も大変そうですねー。(この言い方がとっても、世界一難しい恋の三浦だった。)
櫻井:地球は大変よ……。はあ、ふたりとも研究所戻ろ……。
 
櫻井:ここで問題です。「1日」とは、太陽が昇って沈むのになぞらえているので、太陽を表しています。では、「1ヶ月」は何でしょう?
濵田:はい!月!(たぶん濵田くんだったと思います、違ったらごめんなさい。)
櫻井:そうでーす。正解!月の満ち欠けを表しています。
小瀧:せんせー、じゃあ曜日は月と関係あるんですか?(たぶん小瀧くんだったと思います、ry)
櫻井:いい質問だね!そうです!月曜が月で、火曜が火星、水曜が水星というように、曜日は惑星を表しています。日曜は太陽ね。
 
*櫻井先生、まとめに入ります。
櫻井:地球からみた星空はいかがだったでしょうか。ここで、少し宇宙を旅してみようと思います。(パソコンの画面をスクリーンに映し、操作していく。)これはMitakaというソフトで、みなさんもダウンロードして使うことが出来ます。ぜひやってみてください。僕らがいる地球からは、星空が埋め尽くしているように見えるけど、宇宙はまだまだ広いんだよね。(地球を中心に、どんどんズームアウトさせていきます。)地球から月はこれだけ離れていて……(とかなんとか)。地球に光と熱を与えてくれる太陽はこんなにも遠くにあって、地球から太陽までの距離は、地球から月までの距離の390倍にもなるといいます。でももっと、もっと遠くにほら、例えば木星があって……(という風に、Mitakaでズームアウトできる限度いっぱいまで宇宙を見ていきます。)
 
とてつもなく遠い宇宙の片隅の太陽系のその中のたくさんの星の、その中の地球に僕らはいます。今夜はそんなことを思いながら星を見てみてください。そうすれば、僕らの悩みはちっぽけなものに思えてきます。
東京は明るいから星が見えないなんて言いますが、東京でも星が見えます。暗い星が見えにくいだけなんです。明るいところでも、夜空に目を慣らして10分ほど見続けていれば星が見えます。なので、ぜひ夜空を見上げてみてください。
それでは、今日のまとめです。
 
「星空に思いを馳せれば その思いがきっと 明日を照らしてくれる   翔」
 
 
櫻井:これで授業を終わりにします。助手の藤井流星もありがとう。続いてはこの先生です。
 
 
 

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